2012/07/24

1920's STURDY OAK Black Chambray Shirts (Heller's Cafe)

さて、前回前々回に引き続き、今回もシャンブレーシャツを紹介します。
ただし、今回は前回までのブルーシャンブレーとは異なり、黒シャンの紹介です。



こちらはウェアハウスが制作するヘラーズカフェのブラック・シャンブレー。
元になっているのは、ヘラクレスと並ぶシアーズのワークレーベルであるSTURDY OAK(スターディオーク)の1920年代の黒シャンブレーシャツです。

それなりに着込んでいますが、まだまだ濃いグレーが残っています(黒シャンといっても、いわゆる黒い色はしておらず、元々こういう濃いグレーをしているのです)。

さて、では、いつものようにディテールも追ってみます。



まずは襟まわりから。
こちらも前回紹介したCRAZY HORSE 2TONE SHIRTS同様、1920年代のシャツがオリジナルとあって、剣先が美しい襟の形をしており、写真では見えませんが、長いチンストラップがついた仕様となっています。

ちょっと写真では、見づらいですが前立て部分の縫製の運糸の細かさが伝わるでしょうか?
後ほど、袖口のアップでも紹介しますが、無骨なワークシャツながら、この運糸の細かさからはとてもエレガントな印象さえ受けます。


続いて、胸ポケット。
ブルーグレーに塗られたメタルボタンが使われたフラップ無しのポケットです。


そして、袖口。
通称イッテコイ仕様になっています。

では、もうすこしアップで運糸の細かさにフォーカスしてみましょう。


こんな感じですが、伝わりますか?
カフス部分と袖の間の細かいシワと、そのシワを強調するように色抜けしたアタリの具合。
運糸の違いという本当に細かなディテールが、このシャツを現代のシャンブレーシャツとは似て非なるものにしてくれています。


続いて背面から襟元をとった写真ですが、こちらもよく見ると襟部分の運糸は実に細かい。
その一方でヨーク部分は無骨なトリプルステッチのなっているというコントラストが絶妙です。


ただ、このトリプルステッチの運糸もそれなりに細かいのが、サイドの縫製をみてもわかると思います。ムラ糸を使ったシャンブレー生地の感じもとても良い感じです。
そして、当然のように裾部分は耳付きのマチがついています。


この何とも独特の雰囲気を醸し出す黒シャンブレーシャツは、1924年のシアーズカタログに同じ型のシャツが掲載されているのだそうです。
最近、袖を通していなかったのですが、このブログを書きながら、ひさしぶり着てみたいなと思いました。

2012/07/23

CRAZY HORSE 2 TONE CHAMBRAY SHIRTS (DUCK DIGGER)

前回に引き続き、ウェアハウスのシャンブレーワークシャツを紹介します。


今回、紹介するのは、上の写真のとおり、2トーンの配色が特徴的なシャンブレーシャツ。
この2トーンの配色は、屋外での作業における視認性のよさを考慮して施されたものだそうです。


ただし、背面からみると上の写真のとおり、普通のシャンブレーと同じで1トーンに見えます。


1920年代までに作られたワークシャツを元にしていることもあって、襟の剣先はドレスシャツのように鋭角になっています。
ただ、この襟をめくると…。


こんな風に太めのチンストラップがついていてワークシャツらしいデザインです。
また、襟先についたボタンは、ボタンダウンのシャツ同様に襟が風ではためくのを防ぐ機能と考えられていますが、表から見えないようになっているのは、古い年代の特徴です。
さらに細かいところでは、この剣先の当て布部分に生地の耳部分が使われていたりします。


胸ポケットは最初の写真のように、左右非対称の大きさになっていますが、こちらは左胸についた小さいほうのポケット。
2色の異なる色のシャンブレーのコントラストがよくわかります。


袖口のデザインもドレスシャツよりのデザインです。
ボタンが貝ボタンなのも、ドレス的な印象をあたえます。
ちなみに写真だとわかりづらいのですが、縫製のピッチの細かさがわかるでしょうか?
ウェアハウスのこの年代のシャツのリプロダクトに共通しているのですが、とにかく驚くほど縫製ピッチが細かくて、それが細かなパッカリング、アタリを生み出してくれるのに貢献しています。


最後に裾のマチ部分。ここも耳付き。
ムラ糸による凸凹のある生地感が伝わりますでしょうか?

このシャツにつけられた"CRAZY HORSE"というネーミングは、最後の最後までアメリカ合衆国に屈することなく、抵抗を続けたといわれるネイティブアメリカンの名前から取られたそうです。
クレイジーホースは、有名なリトルッグホーンの戦いで、カスター将軍率いるアメリカ合衆国軍を全滅させた功績をもつ英雄だといいます。

ドレス的なディテールを持ちつつも、全体的には無骨な印象を与えるこのシャツ。
1年ほどの着用で、まだまだそれほど色抜けしていないですが、これからのどんどん着込んで、よい感じのエイジングになればよいなと思っています。


2012/07/17

WAREHOUSE ARMPIT GUSSET WORK CHAMBRAY SHIRTS

ひさしぶりの更新になります。
今回は、何枚か所有しているウェアハウスのシャンブレーシャツの中からお気に入りの1枚を紹介します。


2年前の夏に購入した一着で、写真上のとおりショルダー部分が二重になっており、そのため、布地が重ならないように配慮された胸ポケットが通常より低い位置につけられているデザインが特徴的なシャンブレーシャツになります。


ボタンは青い塗料で塗られた金属製。
2年間気に入って着ていたので、襟元の部分がだいぶ色が抜けてよい感じになってきています。
襟元にユニオンチケットが着いているのも特徴的ですね。


胸ポケットもだいぶ色が抜けて、アタリも出ています。
すこし小ぶりなデザインのポケットです。


袖口もいい感じの色の抜け方です。
袖口の開きは通称イッテコイ仕様。


背中部分も肩は二重になっています。
他の部分でもワークらしいトリプルステッチが使われていますが、この部分も写真のとおり、トリプルステッチでの縫製となっています。

また首に近い部分には、通気のための菊穴が開けられています。
この部分のステッチはグリーンの糸になっています。


このシャツのもうひとつの特徴が、この脇下の部分。
動きやすいようにということなのだと思われますが、真ん中に別布が立体的にはさまれた凝ったデザインとなっており、古い年代のワークシャツならではの手のこんだ作りです。


ブルーのシャンブレーはとにかく大好物で何着かもっていますが、中でもこの一着はかなりいい色落ちになってきて、ますますお気に入りのシャツになってきました。
これからもどんどん着込んで、より白い色落ちになるまで育てていきたいなと思います。