2012/10/01

Lee×WAREHOUSE 101B(44年モデル)

今回は、LeeとWAREHOUSEによる101Bを紹介。


1年半ほどはいていますが、まだ濃いブルーが残っていますね。
前回紹介した古いlevi'sのデニムパンツをリプロダクトしたものに比べると、メリハリがあまりない色落ちです。でも、これがまたLeeらしくてかっこいい。

このパンツは、バックポケットのステッチに「レイジーS」が採用された1944年前後に製造されたボタンフライの101Bをリプロダクトしたモデルです。
背中のウェストバンド付近にタグがついた、いわゆる「センター赤タグ」と呼ばれる頃の年代のモデルですね。

 

なので、フロントのトッポボタンも"RIDERS"ではなく"COWBOY"の刻印がはいったボタンです。

シルエットは腰まわりにすこし丸みがあるので、Lee独特のやや外側についたバックポケットの配置とちょうどいい感じのバランスになっています。
全体的に無骨な感じがお気に入りです。


ディテールをみながら、細部の色落ちも紹介。
まずは左ポケット付近。


こうやって近くでみると、それなりにアタリも出ているのがわかります。縦落ちもしっかりと出るデニム生地です。

この生地は、インディゴを染める際、1940年当時の濃度に合わせて硫化染料で下染めしているそうで、そのためか独特の色落ちをしているように感じます。


コインポケットまわりはこんな感じ。
この青みの強い色落ちがいいですよね


股下にはまだリベットが残る時代の仕様です。
こう見ても、股のアタリはそれほどメリハリがありません。


つづいてバック。
レザーパッチの位置がけっこう内側です。
なので、もともと外よりのバックポケットがさらに外についているように見えます。

ポケットも補強用の当て布のために下半分に特徴的なアタリがでています。財布を入れたアタリも出ていますね。

バックヨーク部分やポケット周りの巻き縫いの部分はパッカリングしていて、さらにアタリが出ているので良い感じです。


お尻まわり全体では、こんな感じ。
やっぱりLeeはこのちょっとバランスの悪いバックスタイルがかっこいですよね。


このLeeのパンツに関しては、ゆっくり育てている感じなので、これからもこのペースでのんびりと色落ちを楽しんでいこうと思っています。



2012/09/30

DUCKDIGGER PLEATED WAIST OVERALLS

今回は、ウェアハウスのDUCKDIGGERレーベルから、1873年のウエストオーバーオールのディテールを忠実に再現したデニムパンツを紹介。



実は、このブログでデニムパンツを紹介するのははじめてだったりします。
上の写真は、ちょうど1年はいた状態。まだ色は濃く残っていますが、よい感じのアタリが各所に出て、雰囲気のよい状態になってきています。

すこし拡大して、色落ち具合を見ていきましょう。
まずは左ポケットまわり。
適度なコントラストが出ています。



基本的には月1回洗剤を使って洗っていました。汗をかく夏場は2週間に1回。
このくらいのコントラストが好きです。

つづいて右ポケット付近。
見たとおり、コインポケットがウェストのベルト部分にかかった仕様です。
『Jeans of the Old West: A History』などをみても、19世紀後半のLevi'sのデニムパンツは年代が古いほど、コインポケットの位置が上にあるのがわかります。



つづいてバック。
まず全体的にはこんな感じ。
お尻の周りがだいぶ良い感じに色落ちしています。


そして、このお尻まわりにはいくつも特徴的なディテールがあるパンツです。

まず目につくのがポケット。
むきだしのリベット、ゆがんだアキュエイトステッチ、そして、細かな運糸。
ポケット裏にはられた補強用の当て布のおかげで、特徴的なアタリが出ています。

それからバックヨークあたりの特徴にも気づくでしょうか?
通常は巻き縫いになる箇所ですが、古い年代の仕様を再現して折り伏せ縫いになっています。しかも、レザーパッチあたりにはタックが入っているという特徴的な仕様。こうしたディテールのせいで、通常とは異なる色落ちが見られます。


それから、古い年代のパンツなので、やはりバックルバック仕様です。
サスペンダー用のボタンもついています。

バックヨーク部分は折り伏せ縫いでしたが、縦方向は通常どおりの巻き縫いです。
もとになったパンツではここも折り伏せ縫いの仕様だったところを、強度を考慮してか巻き縫いのチェーンステッチです。


1年経ってだいぶ表情が出てきましたが、まだ色は濃く残っているので、もうすこしはき込んで変化を楽しんでみようと思っています。



2012/07/24

1920's STURDY OAK Black Chambray Shirts (Heller's Cafe)

さて、前回前々回に引き続き、今回もシャンブレーシャツを紹介します。
ただし、今回は前回までのブルーシャンブレーとは異なり、黒シャンの紹介です。



こちらはウェアハウスが制作するヘラーズカフェのブラック・シャンブレー。
元になっているのは、ヘラクレスと並ぶシアーズのワークレーベルであるSTURDY OAK(スターディオーク)の1920年代の黒シャンブレーシャツです。

それなりに着込んでいますが、まだまだ濃いグレーが残っています(黒シャンといっても、いわゆる黒い色はしておらず、元々こういう濃いグレーをしているのです)。

さて、では、いつものようにディテールも追ってみます。



まずは襟まわりから。
こちらも前回紹介したCRAZY HORSE 2TONE SHIRTS同様、1920年代のシャツがオリジナルとあって、剣先が美しい襟の形をしており、写真では見えませんが、長いチンストラップがついた仕様となっています。

ちょっと写真では、見づらいですが前立て部分の縫製の運糸の細かさが伝わるでしょうか?
後ほど、袖口のアップでも紹介しますが、無骨なワークシャツながら、この運糸の細かさからはとてもエレガントな印象さえ受けます。


続いて、胸ポケット。
ブルーグレーに塗られたメタルボタンが使われたフラップ無しのポケットです。


そして、袖口。
通称イッテコイ仕様になっています。

では、もうすこしアップで運糸の細かさにフォーカスしてみましょう。


こんな感じですが、伝わりますか?
カフス部分と袖の間の細かいシワと、そのシワを強調するように色抜けしたアタリの具合。
運糸の違いという本当に細かなディテールが、このシャツを現代のシャンブレーシャツとは似て非なるものにしてくれています。


続いて背面から襟元をとった写真ですが、こちらもよく見ると襟部分の運糸は実に細かい。
その一方でヨーク部分は無骨なトリプルステッチのなっているというコントラストが絶妙です。


ただ、このトリプルステッチの運糸もそれなりに細かいのが、サイドの縫製をみてもわかると思います。ムラ糸を使ったシャンブレー生地の感じもとても良い感じです。
そして、当然のように裾部分は耳付きのマチがついています。


この何とも独特の雰囲気を醸し出す黒シャンブレーシャツは、1924年のシアーズカタログに同じ型のシャツが掲載されているのだそうです。
最近、袖を通していなかったのですが、このブログを書きながら、ひさしぶり着てみたいなと思いました。

2012/07/23

CRAZY HORSE 2 TONE CHAMBRAY SHIRTS (DUCK DIGGER)

前回に引き続き、ウェアハウスのシャンブレーワークシャツを紹介します。


今回、紹介するのは、上の写真のとおり、2トーンの配色が特徴的なシャンブレーシャツ。
この2トーンの配色は、屋外での作業における視認性のよさを考慮して施されたものだそうです。


ただし、背面からみると上の写真のとおり、普通のシャンブレーと同じで1トーンに見えます。


1920年代までに作られたワークシャツを元にしていることもあって、襟の剣先はドレスシャツのように鋭角になっています。
ただ、この襟をめくると…。


こんな風に太めのチンストラップがついていてワークシャツらしいデザインです。
また、襟先についたボタンは、ボタンダウンのシャツ同様に襟が風ではためくのを防ぐ機能と考えられていますが、表から見えないようになっているのは、古い年代の特徴です。
さらに細かいところでは、この剣先の当て布部分に生地の耳部分が使われていたりします。


胸ポケットは最初の写真のように、左右非対称の大きさになっていますが、こちらは左胸についた小さいほうのポケット。
2色の異なる色のシャンブレーのコントラストがよくわかります。


袖口のデザインもドレスシャツよりのデザインです。
ボタンが貝ボタンなのも、ドレス的な印象をあたえます。
ちなみに写真だとわかりづらいのですが、縫製のピッチの細かさがわかるでしょうか?
ウェアハウスのこの年代のシャツのリプロダクトに共通しているのですが、とにかく驚くほど縫製ピッチが細かくて、それが細かなパッカリング、アタリを生み出してくれるのに貢献しています。


最後に裾のマチ部分。ここも耳付き。
ムラ糸による凸凹のある生地感が伝わりますでしょうか?

このシャツにつけられた"CRAZY HORSE"というネーミングは、最後の最後までアメリカ合衆国に屈することなく、抵抗を続けたといわれるネイティブアメリカンの名前から取られたそうです。
クレイジーホースは、有名なリトルッグホーンの戦いで、カスター将軍率いるアメリカ合衆国軍を全滅させた功績をもつ英雄だといいます。

ドレス的なディテールを持ちつつも、全体的には無骨な印象を与えるこのシャツ。
1年ほどの着用で、まだまだそれほど色抜けしていないですが、これからのどんどん着込んで、よい感じのエイジングになればよいなと思っています。


2012/07/17

WAREHOUSE ARMPIT GUSSET WORK CHAMBRAY SHIRTS

ひさしぶりの更新になります。
今回は、何枚か所有しているウェアハウスのシャンブレーシャツの中からお気に入りの1枚を紹介します。


2年前の夏に購入した一着で、写真上のとおりショルダー部分が二重になっており、そのため、布地が重ならないように配慮された胸ポケットが通常より低い位置につけられているデザインが特徴的なシャンブレーシャツになります。


ボタンは青い塗料で塗られた金属製。
2年間気に入って着ていたので、襟元の部分がだいぶ色が抜けてよい感じになってきています。
襟元にユニオンチケットが着いているのも特徴的ですね。


胸ポケットもだいぶ色が抜けて、アタリも出ています。
すこし小ぶりなデザインのポケットです。


袖口もいい感じの色の抜け方です。
袖口の開きは通称イッテコイ仕様。


背中部分も肩は二重になっています。
他の部分でもワークらしいトリプルステッチが使われていますが、この部分も写真のとおり、トリプルステッチでの縫製となっています。

また首に近い部分には、通気のための菊穴が開けられています。
この部分のステッチはグリーンの糸になっています。


このシャツのもうひとつの特徴が、この脇下の部分。
動きやすいようにということなのだと思われますが、真ん中に別布が立体的にはさまれた凝ったデザインとなっており、古い年代のワークシャツならではの手のこんだ作りです。


ブルーのシャンブレーはとにかく大好物で何着かもっていますが、中でもこの一着はかなりいい色落ちになってきて、ますますお気に入りのシャツになってきました。
これからもどんどん着込んで、より白い色落ちになるまで育てていきたいなと思います。



2012/04/27

Russell Moccasin Sporting Clays Chukka

今回はラッセルモカシンのスポーティングクレイチャッカを紹介します。


ラッセルモカシンのブーツを紹介するのは今回で3回目。
いままではゼファーキャバリエという10インチ丈のプルオンブーツを紹介しましたが、今回のスポーティングクレイチャッカはショート丈のレースアップタイプのもので、ラッセルモカシンを代表するブーツです。


上の写真にもあるように、このブーツには3種類の革が用いられています。

一番上はグリーンのヌバック、次に、1番大きな面積を占めるアッパー部分はラッセルモカシンといえばこの革ともいえる赤みがかった防水レザー。そして、最後にソールに一番近い部分がこれもラッセルモカシンらしい革であるララミースエードとなっています。


僕がもっているラッセルモカシンのなかでは唯一のトリプルヴァンプなので、最も防水性はあります。

後ろのほうから見るとこんな具合。


アイレットは3つのみなので着脱は簡単。
ただし、ちょっと僕には足首の締まり具合がゆるすぎるように感じます。
これは好みが分かれるところかもしれません。

でも、こうやって近づいてみると、レザーの感じはいい具合にエイジングしてきていますね。


最後にソールは、スポンジタイプで軽量なvibram #2021を採用。
はく機会は少なめとはいえ、もう3年ほどはいてるので、ソールはだいぶ減ってきています。


これから暑くなってくるにつれ、活躍度が高くなるショート丈のブーツ。
このスポーティングクレイチャッカの季節もこれからです。

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2012/04/23

FILSON Large Shoulder Bag

今回はフィルソンのラージショルダーバッグを紹介。



フィルソンはあの誰もが見たことのある有名なマッキーノクルーザーで知られるアウトドア・クロージング・メーカー。
1897年ワシントン州シアトルで創業したフィルソンは「どうせ持つならいいものを、最上のものを」をキャッチコピーに、ゴールドラッシュに挑む人びとが過酷な労働環境でも働けるような優れた品質と耐久性をもったウェアを生産し、アラスカや北西部で働く男たちに愛されるブランドとなりました。
僕も毎年、真冬になるとダブルマッキーノクルーザーにお世話になっています。



このショルダーバッグもそんな耐久性に優れたものづくりを誇るフィルソンらしい一品です。

使われている生地は、フィルソンのコットンクロスの中でも最も太番手の糸を使って織られたキャンバス生地。
その生地に適度なオイル分を染み込ませるオイルフィニッシュ加工をすることで、強度と撥水性等を高めています。

仕様としては、上の写真のように前面のストラップの下にフラップのついた2つのポケットがあります。
ちなみに向かって右側のほうのポケットにのみ、中に鍵などをひっかけておけるフックがついているのが便利です。



そして、上の写真ではすこしわかりづらいですが、背面にも大きなポケットがついています。
冬場はここに手袋をしまったりしていました。



そして、両側面にも上の写真のような小さなポケット。
ちょっとしたものを入れるのに使えます。


ストラップや補強部に使われている革も、馬具用革として知られ、これまた丈夫さが特徴であるブライドルレザーです。


真鍮の留め具との相性もすごくよいと思います。
先端の刻印もポイントになってよいデザインです。

肩にあたる部分には下の写真のようなパッドもついているので、多少バッグが重くなっても肩がいたくなったりはしません。


使いはじめてまだ4ヶ月ほどですが、皮の部分もほんのすこしだけ味が出始めています。
うちにはもうひとつマッキーノクロスを使ったスモールショルダーバッグもあるのですが、そっちは1年以上使っていてレザーにも光沢が出て、だいぶいい味わいになっています。
なので、このバッグもこれからのエイジングが楽しみです。



  

2012/04/09

Favorite Style 2 ( Denim Short Jacket Style )

お気に入りのコーディネイト例を紹介する記事の2回目。
1回目の「カバーオール+ベスト+シャツ」のコーディネイトに続いて、今回はデニムのショート丈のジャケットにシャツをレイヤードしたコーディネイトを紹介。
温かかったり寒かったりするこの時期は、温度調整ができるレイヤードスタイルが便利です。

というわけで、まずは以前に紹介したウェアハウス×リーのカウボーイジャケットを使ったコーディネイトから。




jacket : Lee × Warehouse
vest : ortega
shirt : Lee × Warehouse

リーのオールドタイプのカウボーイジャケットにオルテガのチマヨベストで、カウボーイ&ネイティブな組み合わせ。シャツには同じくLee × Warehouseのベージュのヘリンボーン生地のシャツを合わせてみました。
ジージャンが色落ちしているので、オルテガの淡いグリーンとシャツのベージュとトーンが合っていて、なかなか気に入っているコーディネイトです。

ちなみにジャケットを脱ぐと、こんな感じです。


続いては、もう1例、同じジャケットを使ったコーディネイト例を。

jacket : Lee × Warehouse
shirt : Heller's Cafe
T-shirt : Warehouse

ブラックシャンブレーのシャツに、オリーブ×オフホワイトの太ボーダーのTシャツを合わせたコーディネイト。同じジャケットでもだいぶ印象が違いますよね。
ショート丈のジージャンに限らず、デニムのジャケットにボーダーとシャンブレーを合わせるのは好きなコーディネイトパターンですが、今回はすこしひねってブルーシャンブレーではなく黒シャンを、ネイビー×白の王道のボーダーパターンではなくオリーブ×オフホワイトの太ボーダーを合わせてみました。この下にブラウンのダック地のパンツなんかをあわせると、いい感じです。



続いては、こちらも以前に紹介したウェアハウスの15周年記念のデニムジャケットを合わせたコーディネイトを。


jacket : Warehouse
vest : Stevenson Overall Co.
shirt : Warehouse

ブルーシャンブレーのシャツに、ブラウンのダックベストを合わせたコーディネイト。濃いめのインディゴに淡いブルーのシャンブレーとブラウンのダックを合わせるのも好きなコーディネイトです。
全体的にワークな印象のコーディネイトです。あわせるパンツワーク色の強いものを選びたくなります。

続いて、同じジャケットでもう1例。



jacket : Warehouse
shirt : Heller's Cafe
T-shirt : Heller's Cafe

杢のブラックシャンブレーシャツの下に、ヘンリーネックのTシャツを重ねた、さらにワーク色の強いコーディネイト。写真ではほとんどわからないですが、このグリーンのヘンリーネックのTシャツがジャカード織りのボーダーが斜めに入った生地を使っていて凝った作りになっています(詳しくはこちら)。
ここまでワークな印象だと、パンツもデニムをあわせて、デニムonデニムのコーディネイトにしたくなります。

最後はちょっとこれまでとは変わって、デニムを使っていても、いわゆるジージャンタイプではないショート丈のジャケットを使った例。



jacket : Lee × Warehouse
shirt : Heller's Cafe
overall : Warehouse

こちらもLee × Warehouseのもので、ウールライニング付きのショート丈デニムジャケットです。いわゆるジージャンより、さらにワーク色が感じられますよね。
ということで、これまでワーク色の強いオーバーオールとあわせてみました。ただし、色はすこしひねって白。それにあわせてモノトーンにするため、シャツは黒地に白のストライプが入った物を選択。このシャツは写真だとわからないですけど、プルオーバータイプになっています。
最近は気分的にオーバーオールをはきたい気分なので、こういうウールライニング付きのジャケットと合わせたスタイルもまだ肌寒い日にはぴったりです。

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