今回紹介するのは、ウェアハウスのダックハンティングジャケットです。
ウェアハウスによるリプロダクトですが、元ネタは、1908年のメールオーダーカタログに同型のジャケットが紹介されているものだそうです。
アメリカにおいてハンティングというスポーツ自体が大衆化する以前のまだ富裕層の娯楽スポーツであった時代のジャケットです。
ハンティング自体が大衆化していく過程において、そのウェアもよりデコラティブなものに変化していったそうですが、それ以前の1920年代までのハンティングジャケットに関しては極めてシンプルなもので、代わりに英国由来のテーラードの香りが残る縫製仕様や、裾の部分の丸くなったカッティングなどはまさにテーラード的な印象をを与えます。
このジャケットもそんな時代のものをリプロダクトしただけあって、例えば、ハンティングジャケットの特徴であるコーデュロイをあてた襟も、小ぶりで上品な印象を与えます。
ちなみに写真はありませんが、この襟元以外にももう1カ所肌が直接触れる部分であるカフス部分の裏にもコーデュロイがあてられています。
素材は、ハンティング中にブッシュが刺さらないよう、高い強度をもったダック地を使っています。写真では伝わりきれないのですが、とても素材感のある良い生地感のダック地です。
ボタンもまたナットの削りだしのものが使われていて、とても上品な印象です。
それから、胸元には大小2つのポケットがついていますが、こちらも後の時代のものに比べるととてもシンプルな仕様で、下のほうのポケットにフラップがついている程度です。
ちなみに前立て部分にステッチがはいっているのがわかりますが、こちらもなかに獲物を入れる大きなポケットになっているのは、ハンティングジャケットの特徴的なデザインだといえます。
それから袖口。アジェスターがついた仕様です。
こうしてみると購入して1年ですが、すこしダック地にアタリが出ているのがわかります。
さて、今度は背面を見てみましょう。
後ろからみた方がAラインのシルエットがよくわかります。
ハンティングジャケットなので、背面にもゲームポケットがついています。
このゲームポケットは先の前立て部分のポケットとつながっていて、ジャケットの中をみると、こんな淡いグリーンの裏地がジャケットの裏側全体をポケットの役割を果たすようにしているのがわかります。
同じグリーンの生地は前の一番下の部分にあるポケットの中やフラップの裏側にも貼られています。
こちらのポケットは写真のように2つに分かれていて真ん中の部分をレザーで補強されています。
このポケットまわりでもダック地にアタリが出ているのがわかります。
このジャケットに限らず、ダック地ってデニムとは違った味が出る素材なので、とても好きです。
特にウェアハウスのダック地って、他ではない生地感のダック地がそれこそアイテムごとに生地を変えて使われているので、1つ1つのエイジングを楽しむだけでもおもしろいんです。
このジャケットも着込んでいくうちに、さらに良い味が出てきそうな雰囲気をもっているので、これからが楽しみな一着です。
0 件のコメント:
コメントを投稿