2012/03/16

Sanders Cheltenham (Full Brogue Derby Boot)


今日はサンダースのフルブローグブーツ “Cheltenham” を紹介。


サンダースは、1873年にウィリアムとトーマスのサンダース兄弟がイギリスの製靴の聖地とされるノンサンプトンシャーで創業されたサンダース&サンダース社のブランドです。

現存するノーサンプトンのシューメーカーで、サンダースより長い歴史をもつのは、トリッカーズ(1829年)とグレンソン(1866年)のみで、チャーチも同年の創業だそうです。つまり、3つ目に古い歴史をもつメーカーということです。市場での取扱自体が少ないこともあって日本での知名度では適いませんが、あのクロケット&ジョーンズ(1879年)やエドワード・グリーン(1890年)などよりも長い歴史をもつ老舗というわけです。
歴史の長さだけではなく、現在もイギリス国防省のユニフォーム用の靴の大部分をサンダースが担当していたりと、ギーブス&ホークス、マルセル・ラサンス、A.P.C.などのブランドのOEMも手がけるなど、その実力も認められているブランドです。



さて、このフルブローグブーツである “Cheltenham” ですが、ラルフ・ローレンの歩みを紹介した写真本『Ralph Lauren』に掲載された写真の1枚にこれとよく似たブーツを履いたモデルの写真が掲載されています。
実際、サンダースは、すでに挙げたブランドのほかにラルフ・ローレンの靴を手掛ています。この “Cheltenham” をラルフ・ローレン用に製作し直したものが先の写真で履かれていたブーツだと思われます。

ラルフ・ローレンが好きな僕自身もサンダースのブーツを買ったのは、そうした経歴をサンダースがもっていたからです。

それが3年半くらい前のことでしょうか。
今ではこんな感じで結構味のあるブーツに育ってきています。




ノーサンプトンのシューメーカーらしくグッドイヤーウェルト製法でつくられていて、適度に張り出したコバがスタイリッシュになりすぎない無骨な印象を与えてくれます。
このあたり、ドレスシューズではなく、トリッカーズのカントリーブーツの名品 “Malton” と同様に、もともとハンティングなどに用いられていたブーツらしい表情をみせる1つの要因かと思います。

とはいえ、内側もしっかり革張りさえているあたりは、アメリカのワークブーツとは異なる上品さも兼ねそなえていたりもします。




そして、ソールには、英国カントリーシューズらしくコマンドソールを採用しています。


こちらも、似たように深く溝が刻まれたソールでも、White's Smoke Jumperでも採用されているヴィブラムの#100ソールとはまた印象が違います。


そして、フルブローグの穴飾りが施されたトゥー部分。


だいぶ色が落ちてムラになっているのいい感じで、気に入っています。
甲の部分のしわもお気に入りです。


ほかのワークブーツなどとは違い、このブーツは普段はジャケットにグレーパンツなどドレス寄りのスタイルをする際に履いています。
まあ、ドレス寄りとはいえ、このブーツ同様、上品さとタフさを兼ね備えたような、ツイードのジャケットや同じように英国アウトドアを感じさせるワックスドコットンのコートなどと合わせるのが気分です。


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